インプラントの1回法・2回法とは?二次オペの手順まで歯科医師が解説

インプラントオペの術式とは 1回法について インプラントオペの術式には、大きく分けて二つの方法があります。一つ目は1回法と呼ばれるインプラント体を粘膜を貫通して埋入し、閉鎖創としない方法です。この方法では、術直後から口腔内に露出する部品に意図しない外力が加わってしまうため、初期固定を十分に獲得できないと予想される症例では適応になりません。 埋入直後のインプラント体と周囲骨との間の嵌合力により得られる機械的な固定を初期固定と言います。初期固定は、インプラント体の形状、骨質や骨量、手術術式、などに影響されます。一方、埋入後の骨治癒が進行してインプラント体が安定してくる生物学的固定を二次固定といいます。 この画像のように、埋入直後はインプラント体と骨の間は機械的な固定があるのみですが、段々と時間が経ち治癒が進行してくると、しっかりとした二次固定が得られるようになります。 2回法について もう一つの方法は2回法といいます。2回法は,最も一般的な術式であり,免荷期間を確実に確保できることが大きな利点です。冶癒期間を経た後,改めて二次手術が必要となりますが、インプラント体埋入部が閉鎖創となることから感染のリスクが低い術式となります。 ここでは、2回法術式後に必要な二次オペについてご説明します。 二次オペとは、インプラント体を埋入した部分の粘膜を一部切開してヒーリングアバットメントを装着し、インプラント体上部を粘膜の上に露出させ、インプラント周囲に角化粘膜を形成させる手術のことで、補綴上部構造(被せ物)を製作するために必要な手術です。 具体的な手順 ①メスを用いてインプラント体埋入部に歯槽頂切開を加える 骨膜の剥離については、インプラントオペ時とは違い、切開剥離を最小限とします。 ②フィクスチャーに装着してあるカバースクリューを外す この時、カバースクリューが骨などの硬組織に覆われてしまっている場合、フィクスチャーを損傷しないように、慎重に除去します。 ③フィクスチャーにヒーリングアバットメントを装着し縫合する この際、ヒーリングアバットメントの装着により、インプラント体周囲は粘膜が余り、インプラント体間は不足します。そのため、緊密な縫合を行うために粘膜弁のトリミングを行う事があります。 このタイミングで前歯部など審美性の要求される部位や、インプラント周囲3~4mmの範囲に付着粘膜がない場合は,角化粘膜形成術などの軟組織のマネジメントが必要となります。 術後は1週間程度で糸取りを行います。二次オペ終了後、ヒーリングアバットメント周囲の歯肉が落ち着いてきたら、いよいよインプラント上部構造(インプラントの被せ物)の型取りになります。 まとめ 今回、ご紹介した手術方法以外にもインプラント手術には、患者様の状態によって様々なオペの方法があります。また、当院ではインプラントメーカーを複数用意しており、そのそれぞれについて術式は異なります。 当院では、初診時より高精度のCTなどを利用した術前診断、患者様への詳細なヒアリングを行い希望を十分に把握した上で、患者様一人ひとりに寄り添うオーダーメイドの治療計画を立てております。 治療期間 約6ヶ月から1年程度 治療費 自費診療(詳しくはお問い合わせください) 治療のリスク 周囲炎のリスクがある そのほか当院では、他院では難しいようなインプラント症例も豊富なオペ実績を持っております。何かあれば埼玉志木駅前歯医者・矯正歯科 コスモクリニック 本院にいつでもご相談ください。

2026.04.01

歯ぎしりの原因と治療法、放置するリスク

「朝起きると顎が疲れている」「家族に歯ぎしりを指摘された」という経験はありませんか?歯ぎしりは、無意識のうちに行われるため、本人が気づいていないケースも多くあります。しかし、放置すると歯や顎、さらには全身に様々な影響を及ぼす可能性があります。 この記事では、歯ぎしりの原因と種類、そして適切な治療法と放置した場合のリスクについて、歯科医師の視点から詳しく解説します。 歯ぎしりの種類とメカニズム 歯ぎしりは、専門用語で「ブラキシズム」と呼ばれ、いくつかのタイプに分類されます。 3つのタイプの歯ぎしり 歯ぎしりには、主に3つのタイプがあります。 グラインディング 「グラインディング」は、最も一般的なタイプで、上下の歯を横方向にギリギリとこすり合わせる動きです。就寝中に起こることが多く、ギリギリという音が特徴的です。この音で家族が気づくことも多いですが、本人は無自覚であることがほとんどです。 クレンチング 「クレンチング」は、上下の歯を強く噛みしめる動きで、音が出ないため周囲に気づかれにくいです。就寝中だけでなく、日中も無意識に行っていることがあります。特に集中している時やストレスを感じている時に起こりやすい傾向があります。 タッピング 「タッピング」は、上下の歯をカチカチと連続的に打ち鳴らす動きです。3つのタイプの中では最も少ないとされています。 これらの動きは、通常の咀嚼時よりも遥かに強い力が歯にかかります。研究によると、歯ぎしり時の噛む力は、通常の咀嚼時の2〜10倍に達することがあり、最大で100kg以上の力が加わることもあります。 睡眠時と覚醒時の歯ぎしり 歯ぎしりは、発生する時間帯によっても分類されます。 睡眠時ブラキシズム 「睡眠時ブラキシズム」は、睡眠中に無意識に行われる歯ぎしりで、主にグラインディングタイプです。睡眠の浅い「レム睡眠」の時期に起こりやすく、一晩に数回から数十回のエピソードが発生することがあります。 覚醒時ブラキシズム 「覚醒時ブラキシズム」は、起きている時に無意識に行われる歯ぎしりで、主にクレンチングタイプです。仕事中、運転中、スポーツ中など、集中している時やストレスがかかっている時に起こりやすいです。 両方のタイプを併発している人も少なくありません。睡眠時の歯ぎしりは完全に無意識なため、自分でコントロールすることはできませんが、覚醒時の歯ぎしりは、意識することで改善できる可能性があります。 歯ぎしりが起こる生理学的メカニズム 歯ぎしりが起こるメカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。 中枢神経系の異常な活動 中枢神経系の異常な活動が原因の一つとされています。通常、睡眠中は咀嚼筋の活動が抑制されますが、歯ぎしりをする人では、この抑制機構が正常に働いていない可能性があります。 また、脳内の神経伝達物質(ドーパミン、セロトニンなど)のバランスの乱れも関与している可能性があります。 睡眠の質 睡眠の質も重要な要因です。睡眠が浅かったり、睡眠のリズムが乱れたりすると、歯ぎしりが増加する傾向があります。 また、睡眠時無呼吸症候群と歯ぎしりの関連も指摘されており、呼吸が一時的に止まった後、再び呼吸が始まる際に歯ぎしりが起こることがあります。 歯ぎしりの原因とリスク因子 歯ぎしりの原因は多岐にわたり、複数の要因が複合的に関与していることが多いです。 ストレスと心理的要因 最も一般的な原因として挙げられるのがストレスです。日常生活でのストレス、不安、緊張などが、無意識の歯ぎしりを引き起こすと考えられています。 仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、経済的不安など、様々なストレス源が歯ぎしりのトリガーとなります。 ストレスを感じると、交感神経が優位になり、筋肉の緊張が高まります。この状態が睡眠中も続くことで、咀嚼筋が無意識に収縮し、歯ぎしりが起こると考えられています。 また、抑圧された感情や欲求不満が、歯ぎしりという形で表出される可能性も指摘されています。心理カウンセリングやストレス管理によって歯ぎしりが改善したという報告もあり、心理的要因の重要性が示唆されています。 噛み合わせの異常 歯並びや噛み合わせの異常も、歯ぎしりの原因となることがあります。 噛み合わせが高すぎる部分があったり、左右のバランスが悪かったりすると、無意識のうちに理想的な噛み合わせの位置を探そうとして、歯ぎしりが起こると考えられています。 特に、新しく入れた詰め物や被せ物の高さが適切でない場合、その部分を削ろうとするかのように、局所的に強い歯ぎしりが起こることがあります。また、歯の欠損を放置している場合も、残っている歯に過度な負担がかかり、歯ぎしりが増加する可能性があります。 生活習慣と嗜好品 カフェインやアルコールの過剰摂取、喫煙などの生活習慣も歯ぎしりのリスクを高めます。 カフェインは中枢神経を刺激し、睡眠の質を低下させます。アルコールは一時的に眠気を誘いますが、睡眠の質を悪化させ、特にレム睡眠中の歯ぎしりを増加させることが報告されています。 喫煙者は非喫煙者と比べて、歯ぎしりのリスクが約2倍高いという研究結果もあります。ニコチンが神経系に影響を与え、歯ぎしりを誘発する可能性があります。 また、特定の薬剤(抗うつ薬、覚醒剤など)も、副作用として歯ぎしりを引き起こすことがあります。 遺伝的要因 歯ぎしりには遺伝的要因も関与している可能性があります。家族に歯ぎしりをする人がいる場合、そうでない場合と比べて、歯ぎしりのリスクが高いことが報告されています。 ただし、これが遺伝子そのものによるものか、家族間で共有される生活習慣やストレス対処法によるものかは明確ではありません。 歯ぎしりを放置した場合のリスク 歯ぎしりを放置すると、様々な問題が生じます。これらの問題は徐々に進行するため、初期段階では気づきにくいこともあります。 歯への影響 最も直接的な影響は、歯の摩耗です。長期間の歯ぎしりによって、歯の表面のエナメル質が削れ、象牙質が露出します。象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、一度露出すると摩耗が加速します。 特に前歯の先端や犬歯の尖った部分が平らになり、歯の高さが低くなります。これにより、噛み合わせの高さが低下し、顔貌が老けて見えることもあります。また、奥歯の噛む面が平坦になり、食べ物をすりつぶす効率が低下します。 歯の亀裂や破折も起こりやすくなります。強い力が繰り返し加わることで、歯に細かいヒビが入り、これが徐々に進行して歯が割れることがあります。特に、神経を取った歯や大きな詰め物がある歯は、もろくなっているため破折のリスクが高いです。 知覚過敏も歯ぎしりの影響の一つです。エナメル質が削れて象牙質が露出すると、冷たいものや甘いものがしみるようになります。 歯周組織への影響 歯ぎしりによる過度な力は、歯を支える骨や歯茎にも悪影響を及ぼします。強い横方向の力が加わると、歯槽骨(歯を支える骨)が吸収され、歯周病が悪化します。 また、歯茎が下がり、歯の根が露出する「歯肉退縮」も起こりやすくなります。根が露出すると、知覚過敏の原因となるだけでなく、根面虫歯のリスクも高まります。 歯ぎしりと歯周病が併発している場合、両者が相互に悪影響を及ぼし合い、歯周病の進行が加速することがあります。 顎関節と筋肉への影響 歯ぎしりは、顎関節症の主要な原因の一つです。 顎関節に過度な負担がかかることで、関節円板(クッションの役割をする組織)がずれたり、変形したりします。これにより、顎の痛み、関節音(カクカク、ゴリゴリという音)、開口障害(口が大きく開けられない)などの症状が現れます。 咀嚼筋(噛む筋肉)への影響も深刻です。夜間に何時間も筋肉を緊張させ続けることで、筋肉が疲労し、痛みやこわばりが生じます。特に側頭筋や咬筋といった主要な咀嚼筋は、朝起きた時に張りや痛みを感じることがあります。 この筋肉の緊張は、頭痛、肩こり、首の痛みなど、全身の症状にも波及します。特に緊張型頭痛との関連が深く、慢性的な頭痛の原因が歯ぎしりであることも少なくありません。 詰め物や被せ物への影響 歯ぎしりは、治療済みの歯にも影響を与えます。詰め物や被せ物が欠けたり、外れたりするリスクが高まります。 特にセラミックの詰め物や被せ物は、強度は高いものの衝撃に弱いため、歯ぎしりによって破損する可能性があります。 また、インプラントにも悪影響があります。インプラントは天然歯と異なり、歯根膜というクッションがないため、過度な力がダイレクトに伝わります。これにより、インプラント周囲の骨が吸収されたり、インプラント本体にゆるみが生じたりすることがあります。 歯ぎしりの診断と治療法 歯ぎしりの適切な治療のためには、まず正確な診断が必要です。 診断方法 歯ぎしりの診断は、問診、視診、触診などを総合して行います。問診では、朝起きた時の顎の疲労感、家族からの指摘の有無、頭痛や肩こりの有無などを確認します。 視診では、歯の摩耗の程度と部位、歯の亀裂の有無、頬や舌の圧痕(歯に押された跡)などを確認します。触診では、咀嚼筋の圧痛や硬結(しこり)、顎関節の状態などを評価します。 より詳細な診断が必要な場合は、睡眠時の筋電図検査や、家庭用の簡易検査装置を使用することもあります。これらによって、歯ぎしりの頻度や強度を客観的に評価できます。 当院では歯科用CTを完備しており、顎関節の詳細な状態や、歯槽骨の吸収の程度を三次元的に評価できます。これにより、歯ぎしりによる影響の程度を正確に把握し、適切な治療計画を立てることができます。 ナイトガード(スプリント)療法 歯ぎしりの最も一般的な治療法は、ナイトガード(スプリント)の使用です。ナイトガードとは、就寝時に装着するマウスピース型の装置で、通常は上顎に装着します。 ナイトガードの目的は、歯ぎしりそのものを止めることではなく、歯ぎしりによる歯や顎への悪影響を軽減することです。ナイトガードが歯の代わりに摩耗することで、歯を保護します。また、噛む力を分散させることで、特定の歯への過度な負担を防ぎます。 さらに、ナイトガードによって下顎が安定した位置に保たれるため、顎関節や筋肉への負担が軽減されます。多くの場合、使用開始後数週間で、朝の顎の疲労感や頭痛などの症状が改善します。 ナイトガードには、ハードタイプ(硬い樹脂製)とソフトタイプ(柔らかいシリコン製)があります。一般的には、ハードタイプの方が耐久性が高く、噛み合わせの調整もしやすいため推奨されます。ソフトタイプは装着感が良いですが、逆に噛んでしまう傾向があり、歯ぎしりを助長する可能性があります。 ナイトガードは、歯型を取って個別に製作します。既製品のマウスピースと比べて、適合が良く、効果も高いです。定期的に調整と修理が必要で、摩耗が激しい場合は数年で作り直すこともあります。 生活習慣の改善とストレス管理 ナイトガードに加えて、生活習慣の改善も重要です。ストレス管理には、十分な睡眠、適度な運動、リラクゼーション技法(瞑想、ヨガ、深呼吸など)が有効です。 睡眠の質を改善するために、就寝前のカフェインやアルコールを避ける、規則正しい睡眠リズムを保つ、寝室の環境を整える(暗く、静かで、適切な温度)などの工夫も効果的です。 日中の覚醒時ブラキシズム(食いしばり)に対しては、意識して顎の力を抜く練習が有効です。「唇を閉じて、上下の歯を離す」というのが、顎のリラックスした状態です。この状態を意識的に保つように心がけます。 デスクワークやパソコン作業中に食いしばる傾向がある場合は、定期的に休憩を取り、顎のストレッチを行うことも推奨されます。 噛み合わせの治療 噛み合わせの異常が歯ぎしりの原因となっている場合は、その治療が必要です。高すぎる詰め物や被せ物を調整したり、歯の欠損を補ったりすることで、歯ぎしりが改善することがあります。 重度の噛み合わせの異常がある場合は、矯正治療が必要になることもあります。当院では矯正治療にも対応しており、インビザラインなどの目立たない方法で噛み合わせを改善できます。 薬物療法と理学療法 症状が強い場合は、補助的に薬物療法を行うこともあります。筋弛緩剤や抗不安薬を短期間使用することで、筋肉の緊張を緩和し、睡眠の質を改善します。ただし、これらの薬剤は対症療法であり、根本的な治療ではありません。 理学療法では、温熱療法、マッサージ、ストレッチなどによって、筋肉の緊張を緩和します。また、バイオフィードバック療法という方法では、筋肉の緊張を視覚的にフィードバックすることで、自己コントロールを学習します。 当院では、総合的なアプローチで歯ぎしりに対応しています。予防歯科を重視する当院の方針として、歯ぎしりによる歯や顎へのダメージを最小限に抑え、長期的に口腔の健康を守ることを目指しています。 よくある質問 Q.歯ぎしりは治りますか? 歯ぎしりを完全に止めることは難しい場合が多いですが、適切な治療によって症状を大幅に軽減し、歯や顎へのダメージを防ぐことは可能です。ストレスが主な原因の場合は、ストレス管理や生活習慣の改善によって歯ぎしりが減少することもあります。 また、噛み合わせの問題が原因の場合は、その治療によって改善が期待できます。ただし、多くの場合、歯ぎしりの傾向は長期的に続くため、ナイトガードの継続的な使用が推奨されます。 重要なのは、歯ぎしり自体をなくすことよりも、それによる悪影響を防ぐことです。適切な管理によって、歯ぎしりがあっても健康な歯と顎を維持できます。 Q.子どもの歯ぎしりは心配ないですか? 子どもの歯ぎしりは、成人と比べて一般的で、多くの場合は成長とともに自然に治まります。 乳歯から永久歯への生え変わり期(6〜12歳頃)は、噛み合わせが不安定なため、歯ぎしりが起こりやすくなります。この時期の歯ぎしりは、新しい噛み合わせを探る生理的な現象と考えられており、通常は治療の必要はありません。 ただし、歯の摩耗が激しい場合、顎の痛みを訴える場合、睡眠に問題がある場合は、歯科医院での相談が推奨されます。 また、ストレスや不安が原因となっている可能性もあるため、子どもの心理状態にも注意を払う必要があります。当院では小児歯科にも対応しており、必要に応じて適切なアドバイスや治療を提供しています。 Q.ナイトガードは一生使い続ける必要がありますか? ナイトガードの使用期間は、個人の状況によって異なります。歯ぎしりの原因がストレスなどの一時的な要因である場合は、状況が改善すれば使用を中止できることもあります。 一方、歯ぎしりの傾向が長期的に続く場合は、歯を守るために継続的な使用が推奨されます。ナイトガードの使用を中止したい場合は、数週間から数ヶ月間様子を見て、症状が再発しないか確認します。朝の顎の疲労感や頭痛が戻ってきた場合は、再び使用を開始します。 また、ナイトガード自体は消耗品で、数年で摩耗したり破損したりするため、定期的な交換が必要です。当院では、定期検診時にナイトガードの状態もチェックし、必要に応じて調整や作り直しを行います。 Q.歯ぎしりで歯が削れてしまった場合、元に戻せますか? 一度削れてしまった歯は、自然に元に戻ることはありません。しかし、歯科治療によって形態を回復させることは可能です。 軽度の摩耗であれば、コンポジットレジン(歯科用プラスチック)を盛り足すことで、比較的簡単に修復できます。中等度〜重度の摩耗の場合は、セラミックのクラウン(被せ物)で歯全体を覆い、形と高さを回復させます。 ただし、治療を行う前に、まず歯ぎしりをコントロールすることが重要です。 歯ぎしりが続いている状態で治療を行っても、新しく作った詰め物や被せ物もまた削れたり壊れたりしてしまうためです。そのため、通常はナイトガードの使用を開始し、歯ぎしりによるダメージを防いでから、必要な修復治療を行います。 Q.ナイトガードを使うと歯ぎしりが悪化することはありますか? 適切に製作され、調整されたナイトガードであれば、歯ぎしりが悪化することは通常ありません。むしろ、多くの場合、顎の筋肉がリラックスし、歯ぎしりの頻度が減少します。 ただし、ソフトタイプのナイトガードは、柔らかいため噛みたくなる傾向があり、かえって歯ぎしりを助長する可能性があります。そのため、一般的にはハードタイプが推奨されます。 また、ナイトガードが適切に調整されていないと、噛み合わせが不安定になり、かえって顎関節や筋肉に負担をかけることがあります。 定期的に歯科医院で調整を受けることが重要です。使用開始後に症状が悪化する場合は、すぐに歯科医師に相談してください。

2026.03.09

エアフローとは?歯を傷つけないクリーニングの効果・費用・注意点を解説

エアフローで叶える歯を傷つけないクリーニング 当院にはエアフローと呼ばれる歯の表面を磨いていく機械があります。今回はエアフローについて詳しくお話していきます。 エアフローとは エアフロー(パウダークリーニング)とは、微細なパウダーをジェット水流で吹き付け、歯の表面や歯と歯の間の汚れを落とすクリーニング法です。この方法は、歯の表面を傷つけずに短時間で効率よく汚れを除去できるという特徴があります。 また、バイオフィルムと呼ばれる歯ブラシでは落とすことができない細菌のかたまりや頑固な着色汚れにも効果的です。細かい粒子と水で汚れを落とすため、超音波スケーラーで行う「スケーリング」と違って歯の表面や歯茎を傷つけません。 エアフローのメリット 短時間で汚れを除去 清掃効果が高い 歯や被せ物に優しい 歯垢を付着しにくくする インプラントや被せ物が多く入っている方、被せ物が入ってる方、矯正器具が付いている方に特におすすめです。 当院のエアフローの特徴 当院のエアフローには、粉の種類が2種類あり、食品にもよく含まれている「エリスリトール」と呼ばれる甘い味の粉と、「炭酸水素ナトリウム」と呼ばれるエリスリトールより粒子が粗いしょっぱい味のする粉があります。 エリスリトールは、着色汚れとプラーク(歯垢)を除去し、また、歯周ポケット内やインプラント、矯正器具周りなど、歯ブラシが届きにくい場所の汚れを除去します。炭酸水素ナトリウムの方は粒子が粗いので、さらに頑固な着色汚れを除去することができます。 術前 術後 術前 術後 術前 術後 注意点 歯石除去はできないため、別途スケーリングが必要な場合もあります。 歯茎が腫れていると、パウダーを吹き付ける際に少し痛みを感じることがあり出血することがあります。 まれに知覚過敏が出ることがあります。 エアフロー後の歯の表面は一時的に着色しやすくなるため、使用後24時間以内の喫煙やコーヒー、紅茶など着色のしやすいものの摂取はなるべく控えていただくことを推奨しております。 エアフローができない方 呼吸器疾患、喘息がある方 重篤な消化器官潰瘍のある方 肝臓、心臓、肺機能障害がある方 ナトリウム制限のある方(パウダーの種類によってはできます。) 放射線治療中の方 妊娠中、授乳中の方 まとめ 当院でのエアフローの費用は、保険診療外で1回「1,650円」です。 使用後は表面がとてもツルっと仕上がります。歯周病リスクや着色の着き具合で使用頻度は変わってくると思いますが、3~4ヶ月に一度のメンテナンスで使用していただくことをおすすめしております。気になる方はぜひお声がけ下さい。

2026.02.28

審美歯科治療の種類と自然な仕上がりを実現する方法

「前歯の色や形が気になる」「笑顔に自信を持ちたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。審美歯科は、歯の見た目の美しさを改善する治療分野です。 しかし、ただ白くすればいい、整えればいいというわけではありません。自然で調和の取れた美しさを実現するには、歯科医師の技術と経験、そして患者さんとの綿密なコミュニケーションが必要です。 この記事では、審美歯科治療の種類と、自然な仕上がりを実現するためのポイントについて、歯科医師の視点から詳しく解説します。 審美歯科の目的と評価基準 審美歯科は、単に「白くて綺麗な歯」を作ることが目的ではありません。より深い目的があります。 審美性と機能性の調和 審美歯科において最も重要なのは、「見た目の美しさ」と「機能性」を両立させることです。どんなに美しい歯でも、適切に噛めない、発音しにくい、すぐに壊れてしまうのでは意味がありません。 適切な噛み合わせがあってこそ、長期的に安定した審美性を維持できます。また、歯茎の健康も重要です。歯周病があると歯茎が下がり、せっかく作った被せ物の縁が見えてしまったり、根が露出したりします。 審美治療を行う前に、虫歯や歯周病の治療を完了し、口腔内の環境を整えることが必要です。 当院では総合歯科として、虫歯治療から歯周病治療、そして審美治療まで一貫して対応できるため、機能と審美の両面から最適な治療計画を立てることができます。 自然な美しさの定義 「自然な美しさ」とは何でしょうか。それは、顔全体の中で歯が調和し、不自然さを感じさせない状態です。 歯の色は、真っ白である必要はありません。むしろ、少し黄みがかった自然な色の方が、肌の色や唇の色と調和し、柔らかい印象を与えます。また、歯の形も、左右対称で完璧に整っている必要はありません。わずかな非対称性や個性が、自然な印象を作り出します。 さらに、年齢に応じた自然さも重要です。若い人の歯は、表面がツヤツヤしていて、やや透明感があります。一方、年齢を重ねた人の歯は、表面が少し摩耗し、色も濃くなる傾向があります。年齢に不釣り合いな真っ白でツルツルの歯は、かえって不自然に見えることがあります。 審美歯科治療では、患者さんの顔立ち、年齢、性格、ライフスタイルなどを総合的に考慮し、その人に最も適した「自然な美しさ」を追求します。 審美歯科治療の種類と特徴 審美歯科には、様々な治療法があり、それぞれ適応症例と特徴が異なります。 セラミック治療 セラミック治療は、歯科用セラミック(陶材)を使用して、歯の形や色を改善する治療法です。セラミックは天然歯に近い透明感と色調を再現でき、変色せず、生体親和性も高い優れた材料です。 オールセラミッククラウン 「オールセラミッククラウン」は、金属を使わず、全てセラミックで作られた被せ物です。光の透過性が高く、最も自然な見た目を実現できます。 特に前歯の治療に適しています。材料には、ジルコニアセラミック、e.maxセラミック、ガラスセラミックなど、いくつかの種類があり、それぞれ強度や透明感が異なります。 ラミネートベニア 「ラミネートベニア」は、歯の表面を薄く削り、セラミックの薄い板を貼り付ける治療法です。ネイルチップのようなイメージです。削る量が最小限で済むため、歯へのダメージが少ないという利点があります。 歯の色や形、わずかな隙間などを改善できますが、重度の変色や大きな形態異常には適していません。 セラミックインレー 「セラミックインレー」は、奥歯の詰め物をセラミックで作製するものです。金属の詰め物と比べて審美性が高く、また金属アレルギーの心配もありません。 コンポジットレジン治療 コンポジットレジンは、歯科用のプラスチック材料で、歯の色に合わせて様々な色調があります。比較的簡単な治療で、1回の来院で完了できることが多いです。 ダイレクトボンディング 「ダイレクトボンディング」は、コンポジットレジンを歯に直接盛り付けて形成する技術です。前歯の欠けた部分の修復、歯と歯の隙間の改善、歯の形態の修正などに使用されます。削る量を最小限に抑えられ、費用も比較的抑えられるという利点があります。 ただし、コンポジットレジンはセラミックと比べて、経年的に変色しやすい、摩耗しやすい、強度が劣るという欠点があります。そのため、広範囲の修復や、強い力がかかる部位には適していません。 ホワイトニング ホワイトニングについては別のコラムで詳しく解説していますが、審美歯科治療の一環として重要な位置を占めています。特に、セラミック治療を行う前にホワイトニングで周囲の歯を白くし、それに合わせてセラミックの色を決定することで、より自然で美しい結果が得られます。 歯茎の審美治療 美しい笑顔には、歯だけでなく歯茎の状態も重要です。「ガミースマイル」という、笑った時に歯茎が過度に見える状態や、歯茎の高さが不揃いな状態は、審美的な問題となることがあります。 歯肉整形 「歯肉整形」は、歯茎のラインを整える治療です。レーザーや電気メスを使用して、余分な歯茎を除去し、左右対称で美しいラインを作ります。 また、歯茎が下がって根が露出している場合は、「歯肉移植」という方法で、他の部位から歯茎を移植して回復させることもできます。 歯茎の黒ずみ(メラニン色素沈着)が気になる場合は、レーザーや薬剤を使用して色素を除去する「ガムピーリング」という治療もあります。 自然な仕上がりを実現するための要素 審美歯科治療で自然な仕上がりを得るためには、いくつかの重要な要素があります。 色調の選択と再現 歯の色は、単色ではありません。実際には、歯の根元の部分は黄色みが強く、先端に行くほど明るく透明感があります。また、表面には微細な色のバラエーション(白斑や茶色い線など)があり、これが自然な印象を作り出しています。 セラミック治療では、これらの色の変化を再現するために、「レイヤリング技法」という方法が用いられます。異なる色調のセラミックを何層にも重ねることで、天然歯の複雑な色合いを再現します。 色の選択では、「シェードガイド」という色見本を使用しますが、同じ色でも照明条件(自然光、蛍光灯、白熱灯など)によって見え方が変わります。そのため、複数の照明条件下で色を確認することが重要です。 また、隣接する天然歯の色に完全に合わせるのではなく、わずかに明るめの色を選ぶことで、「審美治療をした歯がより美しく見える」という効果を得ることもあります。 形態の設計 歯の形には、個人差があり、また性別や年齢によっても特徴があります。一般的に、男性の歯は角ばった形、女性の歯は丸みを帯びた形が自然とされています。 前歯の長さと幅の比率も重要です。理想的には、幅に対する長さの比率が1:1.6(いわゆる黄金比)に近いと、バランスが良く見えるとされています。ただし、これはあくまで目安で、個人の顔立ちに合わせて調整します。 また、歯の先端のラインも審美的に重要です。前歯の先端を結ぶラインは、下唇のラインと平行になるのが理想的とされています。 歯の表面の質感(テクスチャー)も、自然な印象を作る要素です。若い人の歯には、表面に縦の細かい溝があり、これが光を乱反射させて自然な輝きを作ります。セラミック治療では、これらの溝も再現します。 歯並びと顔貌との調和 美しい歯並びとは、単に歯が真っ直ぐ並んでいることではありません。上下の前歯の中心線が顔の中心線と一致し、左右対称であることが基本ですが、わずかなズレは自然な範囲内です。 また、笑った時の「スマイルライン」も重要です。これは、上の歯の先端を結ぶ曲線で、下唇の曲線と調和するのが美しいとされています。 さらに、「ブッカルコリドー」という、笑った時に見える奥歯の奥の暗い部分の幅も、審美性に影響します。この幅が広すぎると不自然に見え、狭すぎると窮屈な印象を与えます。 これらの要素を総合的に考慮し、顔全体とのバランスを取ることが、自然な美しさを実現する鍵です。 技工士との連携 セラミック治療では、歯科技工士の技術が仕上がりを大きく左右します。歯科技工士は、歯科医師の指示のもと、セラミックの被せ物や詰め物を製作する専門家です。 高品質な審美治療を提供するためには、歯科医師と技工士の密接な連携が不可欠です。歯科医師が患者さんの希望や口腔内の状態を正確に技工士に伝え、技工士がそれを形にします。 理想的には、技工士が直接患者さんに会って、顔立ちや肌の色、笑顔の特徴などを確認できるとより良い結果が得られます。 また、仮の被せ物(プロビジョナルクラウン)を装着して、形や色を患者さんと確認しながら調整し、最終的なセラミックに反映させるという過程も重要です。 審美歯科治療の流れと期間 審美歯科治療は、通常、複数回の通院が必要で、治療期間も内容によって異なります。 カウンセリングと診査 審美歯科治療の第一歩は、綿密なカウンセリングです。患者さんの希望や悩み、期待する結果などを詳しくお聞きします。「どのような印象を与えたいか」「どこまで自然さを重視するか」「予算や治療期間の希望」などを確認します。 次に、口腔内の診査を行います。歯並び、噛み合わせ、歯茎の状態、虫歯や歯周病の有無などを総合的に評価します。レントゲン写真や口腔内写真、場合によってはCT検査を行い、詳細な情報を収集します。 当院では歯科用CTを完備しており、歯の根の状態や顎の骨の状態を三次元的に評価できます。これにより、より精密な治療計画を立てることができます。 治療計画の立案と説明 診査結果をもとに、複数の治療オプションを提示します。それぞれの方法について、利点、欠点、費用、期間などを詳しく説明します。 また、可能であれば「ワックスアップ」という模型を作製します。これは、治療後の歯の形を再現した模型で、治療のゴールを視覚的に確認できます。デジタル技術を用いて、コンピューター上でシミュレーションを行うこともあります。 患者さんが納得された上で、治療計画を決定します。審美歯科治療は自費診療となることが多いため、費用についても明確に提示し、同意を得てから治療を開始します。 実際の治療過程 治療の流れは、選択した方法によって異なりますが、セラミッククラウンの場合の一般的な流れを説明します。 まず、必要に応じて虫歯治療や歯周病治療を行い、口腔内の環境を整えます。次に、歯を削って形を整えます(支台歯形成)。削る量は、被せ物の厚みを確保するために必要な最小限の量とします。 歯を削った後、精密な型取り(印象採得)を行います。同時に、噛み合わせの記録と、色の選択を行います。この情報をもとに、技工士がセラミッククラウンを製作します。製作期間は通常1〜2週間程度です。 製作期間中は、仮の被せ物を装着します。これにより、見た目や機能を保ち、削った歯を保護します。 セラミッククラウンが完成したら、まず口の中に試適し、形や色、適合を確認します。問題がなければ、専用のセメントで接着します。接着後は、噛み合わせの最終調整を行います。 治療期間と通院回数 治療期間は、内容によって異なります。ダイレクトボンディングであれば1回の来院で完了することもありますが、セラミック治療の場合は、通常2〜4回の通院で、期間は2〜4週間程度です。 複数の歯を治療する場合や、矯正治療と組み合わせる場合は、数ヶ月から1年以上かかることもあります。特に、噛み合わせに問題がある場合は、まず矯正治療や噛み合わせの治療を行い、その後に審美治療を行うという段階的なアプローチが必要です。 治療完了後も、定期的なメンテナンスが重要です。セラミックは変色しませんが、接着部分に汚れが溜まると虫歯や歯周病のリスクがあります。また、歯茎の状態の変化によって、審美性が損なわれることもあります。 当院では予防歯科を重視しており、治療後も長期的に美しい状態を維持できるよう、定期的なメンテナンスプログラムを提供しています。 よくある質問 Q.セラミック治療は保険適用されますか? 基本的に、審美目的のセラミック治療は保険適用外(自費診療)となります。ただし、2014年から、一部の歯(小臼歯と大臼歯)に対して、「CAD/CAM冠」という白い被せ物が保険適用されるようになりました。 これはセラミックとレジンのハイブリッド材料で、金属の被せ物と比べて審美性が高いです。 ただし、オールセラミックと比べると、強度や審美性はやや劣ります。また、適用には条件があり、全ての歯に使えるわけではありません。高い審美性を求める場合や、前歯の治療では、自費診療のオールセラミックが推奨されます。 費用は歯の位置や材料によって異なりますが、一般的に1本あたり8万円〜15万円程度です。 Q.セラミックは割れやすいですか? セラミックは陶材なので、過度な力が加わると割れる可能性があります。特に、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、リスクが高まります。ただし、現在使用されているセラミック材料は、従来と比べて強度が大幅に向上しています。 特にジルコニアセラミックは、金属に近い強度を持ち、奥歯にも安心して使用できます。セラミック治療を行う際は、適切な厚みを確保するために十分に歯を削り、また噛み合わせを適切に調整することで、破損のリスクを最小限に抑えます。 歯ぎしりがある方には、就寝時に装着するマウスピース(ナイトガード)の使用を推奨します。適切に製作され、適切にケアされたセラミックは、10年以上良好な状態を保つことができます。 Q.治療後、どのくらいで自然な感じになじみますか? セラミック治療直後は、わずかな違和感を感じることがありますが、通常は数日から1週間程度で慣れてきます。 特に、噛み合わせの高さや歯の形が変わった場合は、舌や頬の内側が新しい形に適応するまで時間がかかることがあります。 ただし、見た目に関しては、治療直後から自然な印象を得られることがほとんどです。周囲の人が気づかないほど自然に仕上がることも多いです。もし長期間違和感が続く場合や、噛み合わせに問題を感じる場合は、調整が必要なため、遠慮なく歯科医院にご連絡ください。 Q.一度セラミックにした歯は、やり直しが必要になりますか? セラミック自体は非常に耐久性の高い材料で、変色や劣化はほとんどありません。ただし、時間の経過とともに、いくつかの理由でやり直しが必要になることがあります。 最も多い理由は、歯茎の下がりです。加齢や歯周病によって歯茎が下がると、被せ物の縁が見えてきたり、根が露出したりすることがあります。 また、虫歯や歯周病が進行した場合、土台となる歯の状態が悪化し、再治療が必要になることもあります。 さらに、セメントの劣化や、被せ物の破損なども、やり直しの理由となります。これらを防ぐためには、定期的なメンテナンスと適切なホームケアが重要です。適切に管理されたセラミック治療は、10〜20年以上良好な状態を保つことも珍しくありません。 Q.審美歯科治療をすると、歯が弱くなりませんか? 審美歯科治療では、歯を削る必要がある場合が多く、削った分だけ歯の厚みは減少します。しかし、適切に治療された歯は、必ずしも弱くなるわけではありません。むしろ、セラミッククラウンで歯全体を覆うことで、歯を補強できる場合もあります。 特に、大きな虫歯の治療後や、根管治療後の歯は、もろくなっているため、被せ物で保護することが推奨されます。 重要なのは、削る量を必要最小限にとどめること、そして適切な材料と技術で治療することです。ラミネートベニアやダイレクトボンディングなど、削る量を最小限に抑えた治療法を選択することもできます。 また、治療後の定期的なメンテナンスによって、歯の寿命を延ばすことができます。当院では、歯を守ることを最優先に考え、必要最小限の侵襲で最大限の効果を得られる治療を心がけています。

2026.02.25

一般的なインプラントオペの手順について

左下インプラント埋入のケース このケースを例に一般的なインプラント埋入(一次オペ)の手順についてご説明致します。 麻酔 まず、局所的な麻酔を行います。通常は局所的な麻酔のみで行うことが多いですが、手術の侵襲の程度や患者様の全身状態に応じて当院専属の麻酔医師の管理のもと静脈内鎮静法(セデーション)を併用した局所麻酔を選択することも可能です。 切開・剥離 インプラント埋入部に歯槽頂切開を行い、続いて欠損部隣接歯の歯肉溝切開を行います。必要に応じて、術野の明示のために縦切開を入れることもあります。 切開が終わったら、頬側の粘膜骨膜弁をしっかりと剥離していきます。 インプラント体(フィクスチャー)埋入窩の形成 事前にCTや模型にて計画していたインプラント埋入部位をラウンドバーにて、皮質骨に印記します。ニードルドリルを用いて、埋入位置を穿孔します。続いて、パイロットドリルを用いて埋入窩を拡大していきます。どこまで拡大するかは、患者様の骨の状態によります。形成した埋入窩に深度ゲージを入れて、対合関係や近遠心関係にズレがないか確認をします。ズレはその都度修正を行なっていきます。 縫合 カバースクリューの装着後、粘膜骨膜弁を元の位置に戻します。この時、弁を端まで完全に密着させます。もし、不足していた場合は、粘膜骨膜弁の歯肉-歯槽粘膜境付近内面の骨膜のみを切断して粘膜骨膜弁を伸展させ、弁の断端まで密着させる。これを減張切開といいます。今回は、プラークの付着しやすい絹糸を避け、5-0ナイロンにて縫合を行いました。 術後のレントゲン写真 今回、ご紹介した手術方法以外にもインプラント手術には、患者様の状態によって様々なオペの方法があります。 また、当院ではインプラントメーカーを複数用意しており、そのそれぞれについて術式は異なります。今回使用したのは、ストローマンというインプラントメーカーのBLXインプラントです。 当院では、初診時より高精度のCTなどを利用した術前診断、患者様への詳細なヒアリングを行い希望を十分に把握した上で、患者様一人ひとりに寄り添うオーダーメイドの治療計画を立てております。 治療期間 約6ヶ月から1年程度 治療費 自費診療(詳しくはお問い合わせください) 治療のリスク 周囲炎のリスクがある そのほか当院では、他院では難しいようなインプラント症例も豊富なオペ実績を持っております。何かあれば埼玉志木駅前歯医者・矯正歯科 コスモクリニック 本院にいつでもご相談ください。

2026.02.17

根管治療した歯が黒い〜ホワイトニングを併用した治療〜

歯の色が黒くなってきてしまった できるだけ歯を削らないで歯を白くしたい 笑ったときに見える歯を綺麗に整えたい そんな方は、ホワイトニング(今回はウォーキングブリーチ)やジルコニアによる改善ができます。 今回は、このような悩みがあった患者さんの一例を紹介します。 初診時の写真 前歯2本が黒ずんで見えます。患者様ご本人も、この2本がどんどん色が変わってきて歯を出して笑えないと困って来院されました。 “歯はできるだけ削りたくない”とのことでしたので最小限の切削量で審美的改善をはかりました。 左上1 根管治療後の歯(失活歯)に対するホワイトニング(ウォーキングブリーチ) 右上1 歯冠破折が大きく認められたので、仮歯の後、エステティックジルコニアクラウンによる補綴治療による審美的改善を計画しました。 左上1:ウォーキングブリーチ・右上1:仮歯 ウォーキングブリーチ術前術後 左上1 歯の色味にご満足いだけたのでここで治療終了です。このケースでは、2回の来院でこの明るさにできました。 右上1 シェードテイク 色味の調整 左上1と右上2の歯冠色に合うように色味をみます。 治療後の状態 術前・術後の比較 まとめ 今回は、ホワイトニングと補綴治療を合わせたケースでした。 治療回数 ホワイトニング(ウォーキングブリーチ) 最短1回※2、3回繰り返す場合や、補綴治療を行う場合もあります エステティックジルコニアクラウン(仮歯含む) 最短3回 費用 ホワイトニング(ウォーキングブリーチ) 1本:33,000円 エステティックジルコニアクラウン(仮歯含む) 121,000円※仮歯3,300円、型取り5,500円 リスク ホワイトニング(ウォーキングブリーチ) 術後痛、色の後戻り エステティックジルコニアクラウン(仮歯含む) 破折、脱離、歯肉退縮による審美不良 歯の色味や、昔付けた差し歯の色が気になる方はいつでもご相談ください。 歯科医師 横江絢子

2026.02.17

抜歯宣告を受けた歯 根管治療と歯周病治療の実際

抜歯寸前の歯を救う 根管治療と歯周病治療を併用した保存治療 本日は根管治療と歯周病治療を併用した症例についてご紹介いたします。 上顎の両側4番目の歯が歯周病により、自然に脱落、もう一本は抜け落ちる寸前です。 レントゲンでみると右下5番目(実際は左下5)の歯根の先端が黒く抜けています。この状態は、重度歯周病と根尖性歯周炎(根が膿んでる)が混在しており非常に予後が悪いとされています。 初診時の患者様の状態 主訴 歯周病で歯が抜けた、噛み合わせが合わない 診断名 重度歯周病、欠損歯、根尖性歯周炎 CT画像で見る骨の状態 この部分をCTでみてみると、骨の壁がほとんどなくこのままにしておくと、他の歯と同じように自然に抜けてしまう未来が見えます。 先生によっては、抜歯宣告を受けてもおかしくないくらい状態は悪いです。 この歯の考えられる歴史 そもそも歯周病の可能性 歯周病によって骨の支えが乏しくなった結果、噛み合わせが悪くなる この歯のみ強い噛み合わせを受けるので左下5に常に異常な咬合が当たる 噛み合わせの衝撃と歯周病細菌により神経が失活 歯を支えてる骨がさらに溶けて自然脱落の未来or治療して余命を伸ばす という流れがあります。 治療計画 つまり治療計画としては、 ①歯周病の治療 歯周基本治療 噛み合わせの治療(矯正治療+咬合調整) ②左下5の感染根管治療+歯周外科治療 MTAによる根管充填 見えない汚れを歯茎を開き、取り残しなく除去していきます つまり、左下5の根管治療のみしても原因が歯周病か噛み合わせなど複合的なので全てについてアプローチしないと、繰り返しの治療になってしまいます。 短期間で治療が終わることをもちろん目指していますが、歯周病や噛み合わせ・根管治療というのは患者さんと二人三脚で擦り合わせながら着実にゴールを目指していくため、シンプルなう蝕治療よりもちろん時間はかかります。 実際の治療内容と経過 序章が長くなりましたが、実際の治療解説です。 歯周基本治療 すべての歯周病治療はここから始まります。 【左下5感染根管治療】と【外科的歯周病治療】まず根管治療を行いました。精密根管治療が求められましたので、ラバーダム防湿とマイクロスコープは毎回使います。最終的な根管充填剤もMTAと呼ばれる薬剤を選択し、少しでもこの歯を残す治療を行いました。 その後、基本治療をして数値が悪いところ・左下5の周囲は外科的にお掃除します。 矯正治療 左下5が仮歯の間、噛み合わせの治療とし矯正治療を行いました。前歯のがたがたも多少ありましたので、正しいポジションに歯を並べました。排列後は、歯の裏側に保定装置をつけ歯の後戻りや歯周病の揺れの予防に努めます。 咬合調整 噛み合わせの微調整を行います。 経過確認 レントゲン上で失われた骨が復活したのを確認できるのは、本症例では欠損も大きいので半年はかかりと推定しました。その間は、1ヶ月〜3ヶ月に一度、揺れや歯周ポケットの悪化が起きてないかチェックします。 術前術後 術前 術後 術前 術後 術前術後のレントゲンでの比較です。明らかに黒く骨欠損が著しかったところが、白く写り良質な骨が復活しているのがわかります。本症例では、骨補填剤は使っていないため全て自家骨での復活です。上顎両側4番目の歯は今後、インプラント治療を行っていく予定です。 私自身も「抜歯しかない、」と言われた歯をどうにか残すことができたときは本当に嬉しいです。しかし、残したくても残念ながら明らかに残すことができない歯や、治療中に揺れが激しくなってきてしまったり、歯根破折してしまい抜歯を行った症例もあります。少しでも歯を残す努力はします。ぜひ患者さんのご理解を得ながら協力していただき、口腔内環境の向上に努めたいと思っております。 根管治療や歯周病治療だけでなく、お口の中で不安なことがありましたらぜひご相談ください。 歯科医師 横江

2025.12.15

骨が薄くてもインプラントは可能 サイナスリフトによる骨造成症例

他院のブリッジ除去後、骨が足りない状態からインプラント治療を実現 この患者様は、左上を噛むと痛いとのことでご来院されました。 他院でセットしたブリッジを除去してみると、歯根(歯の根っこ)部分が破折しており、抜歯となりました。患者様のご希望により、抜歯後はインプラント治療を行うこととなりました。 レントゲン画像をよく診てみると、歯が破折した部分から、歯槽骨内に感染が拡大しており歯槽骨がかなり吸収してしまっている事が分かります。また、抜歯後はさらに骨高径(骨量)が減ってしまいます。抜歯後のCT画像を見てみると、一番骨が薄いところで3.35mmしかないことが分かります。 インプラント埋入に必要な骨量について インプラントの長さで最も短いものでは、6mmの長さのインプラントがあります。ただ、理想的には8mm~10mm程度の長さが望ましいです。 現状では、満足のいく長さのインプラント体を埋入できる骨高径が不足しているため、インプラント体の埋入には骨高径(骨量)の増加が必要となります。上顎の骨は、上顎洞という空洞に接しており十分な骨高径を確保するためには、上顎洞粘膜の剥離挙上により空間を形成する必要があります。 ①上顎洞側壁に骨窓を開ける 痛みが出ないように、麻酔をした後、歯肉頬粘膜を剥離翻転し、上顎洞側壁の骨を一部開けます。 ②上顎洞粘膜を丁寧に剥離挙上 骨窓を開けると、上顎洞粘膜にアクセスできるようになるため、上顎洞粘膜を穿孔しないように剥離します。インプラント体が埋入できる高さまで上顎洞粘膜を剥離します。 ③骨補填材を填入 挙上された上顎洞粘膜と上顎洞底部のスペースに必要に応じて骨補填材を填入します。 ④インプラント体の埋入 今回はサイナスリフトと同時にインプラント体を埋入しています。 実際の手術の様子 実際のオペの様子です。骨の窓開けがされており、上顎洞粘膜が挙上されている事が分かります。 今回のケースのように骨高径が不足しているような症例では、上記のような高度な処置が必要になります。当院では、このような高難度のインプラントオペに精通したドクターが多数在籍しておりますので、他院では難しいインプラントケースなどお気軽にご相談ください。 治療期間 約6ヶ月 治療費 自費診療(詳しくはお問い合わせください) 治療のリスク 周囲炎のリスクがある 歯科医師 古田土

2025.12.15

インプラントが骨と結合する仕組み|オッセオインテグレーションとは

そもそも骨と結合するとは インプラント治療の成功の基準で重要なものに、インプラントそのものと周りの骨との結合状態があります。これは専門用語で、オッセオインテグレーションと呼ばれており、『生活を営む骨組織と機能負荷を受けているインプラント体表面との直接の構造的並びに機能的結合』と定義されています。 インプラントと骨界面の間に線維性組織が介在せず、骨組織がしっかり介在することがインプラントがしっかりと機能する上で非常に重要なことと言えます。 当院で使用しているストローマンというインプラントメーカーでは、この骨結合がしっかりと機能するようにインプラント体の表面性状に工夫があります。 その表面をSLAサーフェスと呼び、SLAサーフェスは、チタン表面にサンドブラスト処理をおこない、さらに酸処理を施しています。これにより骨芽細胞が早期に付着し、成長するのに理想的なサーフェスが生まれます。 SLAサーフェスは、多くの臨床研究と臨床前研究により、長期的な信頼性が実証され、インプラント表面性状のベンチマークとされています。また、ストローマンインプラントは他の点においても、優れたインプラントであると言えます。 残存率について さまざまな研究で、5年から10年の追跡調査後の残存率は、95.1%から98.8%の範囲で高止まりしていると報告されています。 骨量の減少について 平均骨量減少値は、10年後に0.5~1mmです(ベースラインはインプラントのローディング期間として定義) インプラント歯周炎の低罹患率について 10年の追跡調査期間を通じてインプラント歯周炎罹患率は非常に低い値を示しています。(1.8%) このように、優れたインプラントメーカーを使うことも重要ですが、インプラントを長持ちさせるためには、歯を入れて終わりではなく、その後長期的にメンテナンスを行なっていくことが非常に重要です。当院では、インプラント治療終了後メンテナンスを定期的に行なっております。適切なメンテナンスを行うことで、インプラントの寿命が大きく変わってきます。 そのほか当院では、他院では難しいようなインプラント症例も豊富なオペ実績を持っております。何かあれば埼玉志木駅前歯医者・矯正歯科 コスモクリニック 本院にいつでもご相談ください。 古田土 靖史

2025.10.29

根の先の膿を取る歯根端切除術|歯を抜かずに治療する方法

セカンドオピニオン症例 本日は、感染根管治療後に違和感が続いてしまった患者さんのセカンドオピニオン症例をご紹介します。 初診時のレントゲン レントゲン向かって左上前歯の歯根から何かが逸脱してしまってるのがわかると思います。最初の根管治療時に材料が逸脱してしまったため、違和感が継続して生じてしまったのだと思います。 ラバーダム防湿後 ラバーダム防湿後、根管内からの異物除去を初めは試みましたが、異物の逸脱が大きく摘出は困難だったので、歯根端切除術にて異物を除去することと計画いたしました。 歯根の先端と異物を切除 術中です。異物相当部の骨を削り、歯根の先端と異物を切除します。 術後レントゲン 術後レントゲンです。初診時レントゲンと比較すると、歯根先端の異物が除去されてるのがわかります。 このように歯の中からの治療(歯内療法)だけでは根管治療が奏功しない場合は、外科的療法に移行し、治していくこともあります。外科的治療ができない場合は抜歯になってしまうケースもあるので、今回のケースでは抜歯を回避することができてよかったです。根管治療が長引いている方や、抜歯と言われてしまった方はぜひ志木駅前歯医者コスモクリニックへご相談ください。 歯科医師 横江絢子

2025.10.02

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